ゾウの皮膚のようになる 現代でも見られる象皮病
2014.11.20.Thu.22:50
象皮病を引き起こす寄生虫のフィラリアは、全世界に1億2千万人の感染者がいると報告されている。現在、WHOの主導で世界的な制圧計画が進行中だが、海外渡航の際はまだまだ注意が必要だろう。
バンクロフト糸状虫などフィラリア類の寄生虫がリンパ管やリンパ節に寄生すると、そこで増殖して炎症を起こす。これが繰り返されることによって、リンパ管が破裂し、閉塞が起こってリンパ液が体内を流れなくなってしまう。リンパ液が詰まると身体の末梢部、つまり手足や陰嚢、陰茎などに滞留してむくみを生じてしまう。
リンパ液は内容物にタンパク質を多く含むので、これがリンパ管から漏れ出ると、その部分の組織を変性、線維化して皮膚がどんどん厚く、硬くなってしまうのだ。見た目がゾウの皮膚のように変化してしまうので、象皮病と呼ばれるようになった。
かつては日本でも、象皮病はそれほど珍しい病気ではなかった。江戸時代には葛飾北斎の絵画にもこの病気の患者が描かれており、また、幕末の西郷隆盛は象皮病のために陰嚢が、人の頭大に腫れてしまったというのは有名な話である。第二次大戦後には、離島で蔓延していた象皮病を制圧しようという運動が起こり、徹底した保健指導によって人に寄生するフィラリアは根絶することができた。
ところが、フィラリアが滅しても象皮病がなくなったわけではない。生まれつきリンパ管の数が少なすぎて、象皮病を発症することがある。この場合、子どものうちはリンパ液の量が少ないので、20歳をこえた頃に突然リンパ液を処理できなくなって発症する。また、乳がんや子宮がんの手術でリンパ節を切除すると起きるリンパ浮腫も、象皮病と非常によく似た症状をもつ。人類はなかなか、この奇病から逃れられないようだ。
リンパ液は内容物にタンパク質を多く含むので、これがリンパ管から漏れ出ると、その部分の組織を変性、線維化して皮膚がどんどん厚く、硬くなってしまうのだ。見た目がゾウの皮膚のように変化してしまうので、象皮病と呼ばれるようになった。
かつては日本でも、象皮病はそれほど珍しい病気ではなかった。江戸時代には葛飾北斎の絵画にもこの病気の患者が描かれており、また、幕末の西郷隆盛は象皮病のために陰嚢が、人の頭大に腫れてしまったというのは有名な話である。第二次大戦後には、離島で蔓延していた象皮病を制圧しようという運動が起こり、徹底した保健指導によって人に寄生するフィラリアは根絶することができた。
ところが、フィラリアが滅しても象皮病がなくなったわけではない。生まれつきリンパ管の数が少なすぎて、象皮病を発症することがある。この場合、子どものうちはリンパ液の量が少ないので、20歳をこえた頃に突然リンパ液を処理できなくなって発症する。また、乳がんや子宮がんの手術でリンパ節を切除すると起きるリンパ浮腫も、象皮病と非常によく似た症状をもつ。人類はなかなか、この奇病から逃れられないようだ。
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